BCIN - NPO法人乳がん画像診断ネットワーク

VOICE 患者の声

遺伝性乳がん卵巣がん症候群の方にはサーベイランスMRIはとても重要! 脱落することなくサーベイランスを受け続け、早期に見つけて最小限の治療につなげて欲しいです。 M.Tさん(50代)
私の家族背景
私は三姉妹の長女ですが、
1997年 母(50代)
1997年 叔母(50代)
2002年 妹(次女)(20代)
2012年 妹(三女)(30代)
と自分以外の家族が次々と乳がんになり
次は自分が、、、と当時は得体の知れない恐怖と不安を感じていました。
2012年に末の妹が乳がんになり主治医の勧めで遺伝子検査を受けた事をきっかけにBRCA2遺伝子に変異のあるHBOC であることが分かりました。妹の勧めで私も遺伝カウンセリングを受け検査の結果BRCA2変異がある事が判明。不安よりも家族的な乳がんの原因が分かり今までの経緯か府に落ちたのを覚えています。それと同時に卵巣がんのリスクが高い事もカウンセリングの中で知りました。
結果を受けて未罹患のまま2013年よりサーベイランスによる乳腺外科でのマンモグラフィー、エコー、婦人科の定期チェックがスタート。特に異常なく経過していました。2016年1月に乳がんのMRI検査の有用性を検討する臨床試験で同日に受けたマンモ、エコー、触診でも異常なしだったのですが、MRI検査で早期の乳がんの所見が見つかりました。極早期だったこともあり病変と思われる箇所ががんかどうかも含め担当の先生から経過の観察を勧められましたが自分自身の強い希望で病理検査を受けたところがん細胞が見つかりました。この時は不思議と不安やショックはなく万全を尽くして早期に見つける事ができた安堵感すらありました
その後手術にて右乳房を全摘。
術後の確定診断は非浸潤性乳がん、ステージ0。そのため追加治療なく5日間の入院のみで即日常生活に戻れました。その後再発等なく現在8年目も経過観察のみで過ごせています。
この経験からエコー、マンモ、触診でも異常なしであったにもかかわらず、MRI検査により早期の乳がんを発見できた事は、MRIの検出感度に驚くと共にその有効性を強く認識しました。
妹のフルコース治療中のサポートを経験したことから、抗がん剤や放射線治療の
過酷さを知る身として、今回の早期発見によりそれらが回避できたことは私のみならず、家族にとっても大きな事でした。
もし、家族背景等から遺伝性では?と思ったら先ずは遺伝カウンセリングを受ける事をお勧めします。病気に対する正しい知識を得ることはとても大切です。
遺伝カウンセラーさんが患者の気持ちに寄り添いサポートしてくれます。
実際私もカウンセラーさんにはとてもお世話になり、一人で不安や悩みを抱えることなくスムーズに今回のような最善の対処ができたと思っています。
私の妹(次女)が乳がんになった2002年当時は遺伝性という言葉すら知られていませんでした。20代という若さで少し進んだ状態でがんが見つかりフルコース治療を受けましたが残念ながら命を落としています。当時今のような情報や知識、サーベイランスがあったらどうだっただろうかと思うこともあります。
サーベイランスから脱落することなく検査を受け続け、早期に見つれば最小限の治療に止める事ができます。この経験もあり、2019年に長い間迷っていた卵巣がんリスク低減手術(RRSO)も受けています。こちらも術後病理検査で卵管の両端に異形細胞がありました。
色々な経験から遺伝性乳がん卵巣がん症候群の患者にとって遺伝カウンセリング、遺伝学的検査、サーベイランスはとても重要だと実感しています。