乳房MRI検診に関しての国の取り組み

平成29年3月に終了しました

平成26年度のがん政策研究事業として「わが国における遺伝性乳癌卵巣癌の臨床遺伝学的特徴の解明と遺伝子情報を用いた生命予後の改善に関する研究」が厚生労働省から認可されました。
主たる研究目的は5項目ありますが、そのうちの一つに「BRCA1/2変異陽性者のMRI検診の有用性を検討する」があります。
BRCA1/2変異陽性者に年1回の乳房MRI検査を導入して、乳癌発見率(感度)を既存の検診法(マンモグラフィおよび乳房超音波検査)と比較することを目的としています。
日本人女性において乳房MRI検診が早期乳癌の発見に有効であるかのデータはなく、早急に検証する必要があります。
そして、海外と同じように有用性が確認されましたら、今後この結果をもとに日本中に乳房MRI検診を普及させる方針です。

乳がんハイリスクの人へのMRI検査の必要性について

乳がんのハイリスクとは、BRCA1とBRCA2という遺伝子のどちらかに変異がある場合、乳がんの発症リスクは、そうでない場合と比べ、50歳までで16~25倍、70歳までで8~12倍になるというデータがあります。また、両乳房の発症や再発率が高いことも分かっています。
このBRCA1とBRCA2という遺伝子のどちらかに生まれつき変異があり、乳がんや卵巣がんのリスクが高くなる病気を遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)といいます。HBOCは全乳がんの5~10%と推測されています。
遺伝的に乳癌発症リスクが高いと考えられる女性では乳癌発症は通常の女性の罹患より若年層に多いことがわかっています。若年女性のマンモグラフィでは高濃度乳房となるため、その検出能は低く、MRIによるスクリーニングが注目されています。また、マンモグラフィをはじめとする他の検査では検出できない乳がんの存在もよく知られるようになってきました。
すでに欧米では、乳がん発症ハイリスク女性に対するMRIを用いた乳がんスクリーニングが推奨、実施されています。こうした現状を踏まえて、2012年に日本乳癌検診学会により、MRIスクリーニングのガイドラインが発表されました。
詳しくはこちら→http://bcin.jp/sites/default/files/mri_guideline_fix.pdf
更に、MRIスクリーニングは、MRIを見ながら組織をとる手技(MRIガイド下生検)ができる施設で行うことが、海外では強く推奨されています。
MRIガイド下生検が施行可能な施設一覧http://big-reads.com/facilities.html